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    <updated>2012-02-09T00:37:48Z</updated>
    <subtitle>肥後橋法律事務所</subtitle>
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    <title>判例チェック　№32  福岡高裁平成23年4月27日判決・損害賠償請求事件（金利スワップ契約）</title>
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    <published>2012-02-09T00:35:23Z</published>
    <updated>2012-02-09T00:37:48Z</updated>

    <summary>判例チェック　№32 福岡高裁平成23年4月27日判決・損害賠償請求事件（金利スワップ契約） （金融・商事判例1369号25頁） ★チェックポイント 「デリバテ...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://higobashi.com/office/">
        <![CDATA[<p>判例チェック　№32<br />
福岡高裁平成23年4月27日判決・損害賠償請求事件（金利スワップ契約）<br />
（金融・商事判例1369号25頁）<br />
★チェックポイント<br />
「デリバティブ取引」の一つである通称プレーン・バニラ・金利スワップと呼ばれる「金利スワップ契約」を締結した顧客に対する銀行の説明義務違反を認めた判決。<br />
■	事案<br />
第１　概要<br />
当該地方の中堅企業であるＸ会社（控訴人会社）がメガバンクのＹ銀行（被控訴人銀行）との間で円変動金利と円固定金利のみを交換する，デリバティブ取引の一つである通称プレーン・バニラ・金利スワップと呼ばれる契約（以下「本件金利スワップ契約」という。）を締結した際，Ｙ銀行の従業員において，説明義務違反等があったとして，金融用品の販売等に関する法律（平成18年法律第66号による改正前のもの）4条，民法415条，同709条ないし715条に基づく損害賠償として，本件金利スワップ契約に基づいてＸ会社がＹ銀行に支払った金員相当額及びこれに対する遅延損害金の支払いを求めた（原審がＸ会社の請求を棄却したため，Ｘ会社が控訴した）。<br />
なお，「金利スワップ取引」とは，金利を対象とするデリバティブ取引の一つで，同一通貨間で，一定の元本，期間，利息交換日及びそのサイクルを決定し，元本と切り離された互いの異なる種類の金利のみを交換する取引であり，その元本は計算上必要とされるだけなので，「想定元本」と呼ばれており，スワップの対象となる利息が固定金利と変動金利であるものは，金利スワップ取引の基本とされ，「プレーン・バニラ・金利スワップ」と称されている。<br />
第２　本件金利スワップ契約の内容等<br />
１．	本件金利スワップ契約　<br />
　　Ｘ会社は，平成16年3月4日，Ｙ銀行との間において，複数の銀行からの借入が主に変動金利によるものであったため，変動金利リスクヘッジを目的として，以下のとおり想定元本を3億円とする本件金利スワップ契約を締結した。<br />
　　取引期間　　　平成17年3月8日から平成23年3月8日の6年間<br />
Ｘ会社からＹ銀行への金利支払条件<br />
　固定金利　　年2．445％<br />
支払日　　　平成17年6月8日から3か月毎の各8日<br />
Ｙ銀行からＸ会社への金利支払条件<br />
　変動金利　　指標金利（3か月ＴＩＢＯＲ）＋0％<br />
　支払日　　　平成17年6月8日から3か月毎の各8日<br />
２．	Ｘ会社の差額金の支払い<br />
Ｘ会社は，本件金利スワップ契約に基づき，Ｙ銀行に対し，平成17年6月1日から平成18年6月7日までの間，5回にわたって，Ｘ会社の支払う固定金利に基づいて計算した利息の額からＹ銀行から受け取る変動金利に基づいて計算した利息の差額として，合計883万0355円を支払った。　<br />
■	本判例の要旨<br />
１．	説明義務違反<br />
「専門的性質の契約等においては，その知識を有する当事者には，しからざる他方当事者に対する契約に付随する義務として，個々の相手方当事者の事例に見合った当該契約の性質に副った相当な程度の法的な説明義務があるとされる・・・本件金利スワップ契約も専門的性質の契約であることは明らかであるので，・・・それ相応の説明義務を果たす必要があった。しかし，本件銀行説明においては，・・・契約締結の是非の判断を左右する可能性のある，中途解約時における必要とされるかも知れない清算金につき，また，先スタート型とスポットスタート型の利害等につき，さらには契約締結の目的である狭義の変動金利リスクヘッジ機能の効果の判断に必須な，変動金利の基準金利がＴＩＢＯＲとされる場合の固定金利水準について，これがスワップ対象の金利同士の価値的均衡の観点からの妥当な範囲になること等の説明がなされなかったことからすると，同説明は，全体としては極めて不十分であったと言わざるを得ない」<br />
２．社会経済的合理性の不存在<br />
「本件金利スワップ契約の固定金利は，契約締結時に金融界で予想されていた金利水準の上昇に相応しない高利率であったばかりでなく，控訴人会社の信用リスクに特段の事情も認められないのに，本件訴訟で控訴人会社が例示した他の金利スワップ契約のそれよりもかなり高いもので，前記金利スワップ契約のスワップ対象の各金利同士の水準が価値的均衡を著しく欠くため，通常ではあり得ない極端な変動金利の上昇がない限り，変動金利リスクヘッジに対する実際上の効果が出ないものであったことは明らかである。したがって，本件金利スワップ契約は，被控訴人銀行に一方的に有利で，控訴人会社に事実上一方的に不利益をもたらすものあって，到底，その契約内容が社会経済上の観点において客観的に正当ないし合理性を有するものとは言えない」<br />
３．不法行為の成立<br />
「被控訴人銀行において，本件金利スワップ契約の締結に当たって，契約に付随する控訴人会社に対する説明が必要にして十分行われたときは，控訴人会社においては，目的とした変動金利リスクヘッジの可能性の不合理な低さ等から，本件金利スワップ契約は締結しなかったことは明らかで，その説明義務違反は重大であるため，本件金利スワップ契約は契約締結に際しての信義則に違反するものとして無効であり，その説明義務違反は，被控訴人銀行の不法行為を構成すると解せざるを得ない」<br />
４．Ｘ会社側の責任事情<br />
　　　「・・・控訴人会社の規模や被控訴人銀行から本件説明を受けた際には，わざわざ税理士に立会いをさせる等していたのであるから，そのシミュレーションを実行する能力があったし，その専門的用語の調査ないし理解も容易であったことは明らかである。・・・本件金利スワップ契約における多額の本件差額金の支払が現実に必要となった段階で，直ちに本件金利スワップ契約内容が極めて不合理なものであったと当然気付かなければならないのに，本件差額金の支払を重ねてその損害を拡大させたものである。・・・控訴人会社の社会経済的地位からすると，軽率な点があったことは否定できない」　<br />
５．結論<br />
　　　「本件銀行説明の程度や本件控訴人会社側の責任事情を斟酌すると，控訴人会社の本件における被控訴人銀行に請求できる損害金額としては，本件差額金として支払った合計金額の約4割及び提訴日までの遅延損害金を過失相殺として減じた後の残額である530万円及びそれに対する本訴提訴の日である平成18年7月20日から支払済みまで，控訴人会社主張にかかる範囲内の民法所定の年5分の遅延損害金の限度とするのが相当である」<br />
■　コメント<br />
本判決は，中小企業のデリバティブ取引に関して，銀行の説明義務違反を認めたもので，注目すべきものであり，他の同種事案にも参考となる。近時増加している金融ＡＤＲにおける事案にも影響を及ぼすものと思料する。<br />
本件では，銀行の説明義務違反が認められているが，その判断には，本件金利スワップ契約の内容が社会経済的合理性を有さないことが，大きな影響を及ぼしているものと思われる。また，本件では，4割の過失相殺がなされているが，その過失（減額）事情としては，本件契約に関する専門的用語の調査等を懈怠したことや本件差額金の支払が現実に必要となった段階で直ちに当該契約内容が不合理であると気付いたにもかかわらず，同支払を重ねたこと等があげられている。<br />
他の同種事案においても，銀行の説明内容のほか，当該契約内容の社会経済的合理性や当該中小企業の規模・調査能力及び事後対応等を十分検討する必要がある。<br />
なお，本件については，上告・上告受理申立てがなされており，最高裁において，如何なる判断がなされるか，注視したい。<br />
以上</p>]]>
        
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    <title>判例チェック　№31  最高裁判所第小法廷平成２３年９月２０日決定・債権差押命令申立て却下決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件</title>
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    <published>2011-10-12T05:22:56Z</published>
    <updated>2011-10-12T05:34:49Z</updated>

    <summary>判例チェック　№31 最高裁判所第小法廷平成２３年９月２０日決定・債権差押命令申立て却下決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件 （最高裁ホームページ）...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://higobashi.com/office/">
        <![CDATA[<p>判例チェック　№31</p>

<p>最高裁判所第小法廷平成２３年９月２０日決定・債権差押命令申立て却下決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件<br />
（最高裁ホームページ）</p>

<p>★チェックポイント<br />
大規模な金融機関を対象として「全店一括順位付け方式」（全店舗を対象として順位付をし、先順位の店舗の預貯金債権の額が差押債権額に満たないときは、順次予備的に後順位の店舗の預貯金債権を差し押さえるもの）は適法か（消極）</p>

<p>■　事案の概要<br />
執行債権者は、執行債務者に対する金銭債権を表示した債務名義による強制執行として，第三債務者A銀行他数行（いずれも大規模な金融機関である。）に対する預金債権並びに貯金債権の差押えを求める申立て（以下「本件申立て」という。）をし、その申立書において，差し押さえるべき債権（以下「差押債権」という。）を表示するに当たり，各第三債務者の全ての店舗又は貯金事務センター（以下，単に「店舗」という。）を対象として順位付けをした上，同一の店舗の預貯金債権については，先行の差押え又は仮差押えの有無，預貯金の種類等による順位付けをした（以下「全店一括順位付方式」という。）。<br />
■　本判例の要旨<br />
(1)　民事執行規則１３３条２項の求める差押債権の特定とは，債権差押命令の送達を受けた第三債務者において，直ちにとはいえないまでも，差押えの効力が上記送達の時点で生ずることにそぐわない事態とならない程度に速やかに，かつ，確実に，差し押さえられた債権を識別することができるものでなければならないと解するのが相当である。<br />
(2) 本件申立ては，大規模な金融機関である第三債務者らの全ての店舗を対象として順位付けをし，先順位の店舗の預貯金債権の額が差押債権額に満たないときは，順次予備的に後順位の店舗の預貯金債権を差押債権とする旨の差押えを求めるものであり，各第三債務者において，先順位の店舗の預貯金債権の全てについて，その存否及び先行の差押え又は仮差押えの有無，定期預金，普通預金等の種別，差押命令送達時点での残高等を調査して，差押えの効力が生ずる預貯金債権の総額を把握する作業が完了しない限り，後順位の店舗の預貯金債権に差押えの効力が生ずるか否かが判明しないのであるから，本件申立てにおける差押債権の表示は，送達を受けた第三債務者において上記の程度に速やかに確実に差し押えられた債権を識別することができるものであるということはできない。そうすると，本件申立ては，差押債権の特定を欠き不適法というべきである。<br />
■　コメント<br />
本件申立てのような全店一括順位付方式の債権差押えを認めると、第三債務者は、被差押え債権を識別するには、先順位の店舗から順次各店舗につき被差押え債権の総額を把握しなければならず、その作業の終了までには時間を要することは避けられない。ところが、民事執行法１４５条１項による債務者と第三債務者間の被差押え債権・債務関係の凍結の事態は差押え命令の第三債務者に対する送達時に開始される（同条４項）ことから、債権・債務関係の即時凍結から凍結の範囲を把握し対処するまでの間に更なる差押など被差押債権に関する新たな法律関係の変更が生じると第三債務者はこれに対応することは事実上不可能であるのに、その結果生じる法律関係の混乱の結果はすべて第三債務者の責任に帰されるのでは極めて不合理である。この点に注目する本決定は当然であろう。</p>]]>
        
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    <title>判例チェック　№30　（１）最高裁判所第２小法廷平成１９年７月９日判決　（２）最高裁判所第１小法廷平成２３年７月２１日判決</title>
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    <published>2011-09-02T01:27:23Z</published>
    <updated>2011-09-02T01:50:16Z</updated>

    <summary>判例チェック　№３０ （１）最高裁判所第２小法廷平成１９年７月９日判決・損害賠償請求事件 （民集６１巻５号１７６９頁） （２）最高裁判所第１小法廷平成２３年７月...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://higobashi.com/office/">
        <![CDATA[<p>判例チェック　№３０<br />
（１）最高裁判所第２小法廷平成１９年７月９日判決・損害賠償請求事件<br />
（民集６１巻５号１７６９頁）<br />
（２）最高裁判所第１小法廷平成２３年７月２１日判決・損害賠償請求事件<br />
（最高裁ホームページ）<br />
★　チェックポイント<br />
（１）の判例（第１次上告審判決）<br />
建物の設計者、施工者及び工事監理者（設計者等）は、当該建物につき建物利用者、隣人、通行人等に対する関係でも「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」があり、それにより居住者等の生命、身体又は財産が侵害された場合には、不法行為による賠償義務を負担するか（積極）。<br />
（２）の判例（第２次上告審判決）<br />
（１）の判例にいう「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」には，放置するといずれは居住者等の生命、身体又は財産に対する危険が現実化することになる瑕疵が含まれるか（積極）。<br />
■　事案の概要<br />
Ａは、鉄筋コンクリート造9階建５０住戸からなる共同住宅・店舗の本件建物につきY2に建築工事を請け負わせ、Y1に建築の設計及び工事監理を委託し、工事完成の3か月後X1X2に売り渡し、Xらが居住を開始したところ、本件建物にひび割れ、はりの傾斜、鉄筋量不足、バルコニー手すりのぐらつきその他が生じたので、Xらは、交渉を経て工事完成の約6年後、Y2に対しては瑕疵担保責任及び不法行為責任に基づき、Y1に対しては不法行為責任に基づき、瑕疵修補費用等の賠償請求訴訟を提起した。第１審裁判所は、Xらの請求を一部認容し、双方が控訴し、第１次控訴審判決はXらの請求を全部棄却すべきものとする判決をしたので、Xらが上告した。第１次上告審判決は原判決の破棄差し戻しをした。<br />
第２次控訴審判決は、第１次上告審判決の「基本的な安全性を損なう瑕疵」により「居住者等の生命、身体又は財産を侵害した場合に不法行為が成立するとの判示に従いながらも、筆者の責任で要約すると、現実にはこれらの侵害である事故が発生した訳ではなく、Xらは、瑕疵修補費用相当額を損害とする財産権（所有権）侵害を主張するに過ぎず、基本的な安全性を損なう瑕疵もなく、居住者等の生命、身体又は財産の侵害もないとの理由で、Xらの請求を棄却した。<br />
Xらの再度の上告により、第２次上告審判決が言い渡された。<br />
■　本判例の要旨<br />
（１）の判例（第１次上告審判決）<br />
建物の設計に携わる設計者、施工者及び工事監理者は、建物の建築に当たり、契約関係にない居住者を含む建物利用者、隣人、通行人等に対する関係でも、当該建物に建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき注意義務を負い、これを怠ったために建築された建物に上記安全性を損なう瑕疵があり、それにより居住者等の生命、身体又は財産が侵害された場合には、設計者等は、不法行為の成立を主張する者が上記瑕疵の存在を知りながらこれを前提として当該建物を買い受けていたなど特段の事情がない限り、これによって生じた損害について不法行為による賠償責任を負う。<br />
（２）の判例（第２次上告審判決）<br />
第１次上告審判決にいう「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」には、放置するといずれは居住者等の生命、身体又は財産に対する危険が現実化することになる瑕疵も含まれる。そして、この瑕疵には、構造耐力に関わる瑕疵、瑕疵を放置した場合通行人や建物の利用者の人身被害につながる危険のある瑕疵、漏水や有害物質の発生等により建物の利用者の健康や財産が損なわれる危険のある瑕疵が含まれるが、建物の美観や居住者の居住環境の快適さを損なうに止まる瑕疵は含まれない。<br />
■　コメント<br />
　この２つの最高裁判例により、設計者等は建物の建築に当たり、放置するといずれは居住者等の生命、身体又は財産に対する危険が現実化しないように配慮すべき注意義務があり、この注意義務の懈怠の結果建物に瑕疵が生じ、その瑕疵が放置するといずれは居住者等の生命、身体又は財産に対する危険が現実化するものであって、それにより居住者等の生命、身体又は財産が侵害された場合、被侵害者に対し不法行為責任を負うとの不法行為類型が確立されたといえよう。そして、この不法行為理論は、今後様々に発展していくのではなかろうか。</p>]]>
        
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    <title>判例チェック　№２９　最高裁判所第１小法廷　平成２３年３月２４日判決</title>
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    <published>2011-05-12T00:28:43Z</published>
    <updated>2011-05-12T00:56:09Z</updated>

    <summary>判例チェック　№２９　 最高裁判所第１小法廷　平成２３年３月２４日判決・敷金等返還請求事件 （出典　最高裁ホームページ） ★チェックポイント 居住用建物の賃貸借...</summary>
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        <![CDATA[<p>判例チェック　№２９　<br />
最高裁判所第１小法廷　平成２３年３月２４日判決・敷金等返還請求事件<br />
（出典　最高裁ホームページ）<br />
★チェックポイント<br />
居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約は，敷引金の額が高額に過ぎる場合は，賃料が相場に比して大幅に低額であるなど特段の事情のない限り，消費者契約法１０条により無効である。<br />
■裁判例の概要<br />
（事案の概要）<br />
上告人は，平成１８年８月２１日，被上告人との間で，京都市所在のマンションの一室（専有面積約６５．５平方メートル。以下「本件建物」という。）を，賃借期間同日から平成２０年８月２０日まで，賃料１か月９万６０００円、保証金４０万円の約定で賃借する旨の本件賃貸借契約を締結し，本件建物の引渡しを受けた。この契約は，消費者契約法１０条にいう「消費者契約」に当たるところ、保証金は明渡時に契約締結から明渡しまでの経過年数に応じた額を控除して（当該控除金員を「本件敷引金」という。）その残額を上告人に返還するとの特約があった。<br />
本件契約は平成２０年４月３０日に終了し，上告人は，同日，被上告人に対し，本件建物を明け渡し、被上告人は，平成２０年５月１３日，特約に基づき，本件保証金から本件敷引金２１万円を控除し，その残額である１９万円を上告人に返還した。<br />
そこで、上告人は、本件敷引金の返還を求めたが、原審は請求を棄却すべきものとした。その上告理由は、賃貸借においては，通常損耗等に係る投下資本の減価の回収は，通常，減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払を受けることにより行われるものであるのに，賃料に加えて通常損耗等の補修費用を賃借人に負担させる本件特約は，賃借人に二重の負担を負わせる不合理な特約であって，信義則に反し消費者の利益を一方的に害するから,消費者契約法１０条により無効であるというものである。<br />
（判旨）<br />
居住用建物の賃貸借契約に付された敷引特約は，契約当事者間にその趣旨について別異に解すべき合意等のない限り，通常損耗等の補修費用を賃借人に負担させる趣旨を含むものというべきである。（中略）ところで，賃借物件の損耗の発生は，賃貸借という契約の本質上当然に予定されているものであるから，賃借人は，特約のない限り，通常損耗等についての原状回復義務を負わず，その補修費用を負担する義務も負わない。そうすると，賃借人に通常損耗等の補修費用を負担させる趣旨を含む本件特約は，任意規定の適用による場合に比し，消費者である賃借人の義務を加重するものというべきである。<br />
消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付された敷引特約は，当該建物に生ずる通常損耗等の補修費用として通常想定される額，賃料の額，礼金等他の一時金の授受の有無及びその額等に照らし，敷引金の額が高額に過ぎると評価すべきものである場合には，当該賃料が近傍同種の建物の賃料相場に比して大幅に低額であるなど特段の事情のない限り，信義則に反して消費者である賃借人の利益を一方的に害するものであって，消費者契約法１０条により無効となると解するのが相当である。<br />
●コメント<br />
本判例は、敷引特約は、賃借建物に生じる通常損耗等の補修費用を賃借人に負担させる趣旨を含むことを前提としたうえで、消費者契約に該当する居住用建物の賃貸借契約で敷引特約が消費者契約法１０条に該当するか否かの判断においては、賃借人側が賃料額、礼金等の一時金の授受、金額等に照らし、敷引金の額が高額に過ぎることを主張立証すれば一応該当するものと推定され、これに対し、家主側において、約定賃料額が近傍同種の建物の賃料相場に大幅に定額であるなど特段の事情を主張立証すれば、一応の推定は破られるとするものである。そのうえで、最高裁は、本件賃貸借契約の経過年数、賃借家屋の場所、専有面積等に照らし、通常損耗等の補修費用として通常想定される額を大きく超えるものとはいえず、賃料額、礼金等の一時金の支払義務の存否を総合して、敷引金額が高額に過ぎると評価できないから、消費者契約法１０条に違反しないと判断して原判決を維持した。</p>]]>
        
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    <title>判例チェック　№28　最高裁判所第二小法廷　平成23年04月22日判決</title>
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    <published>2011-04-27T04:24:33Z</published>
    <updated>2011-05-12T00:36:07Z</updated>

    <summary>判例チェック　№28　最高裁判所第二小法廷　平成23年04月22日判決・損害賠償請求事件 （出典　最高裁ホームページ） ★チェックポイント 契約の一方当事者が，...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://higobashi.com/office/">
        <![CDATA[<p>判例チェック　№28　最高裁判所第二小法廷　平成23年04月22日判決・損害賠償請求事件<br />
（出典　最高裁ホームページ）<br />
★チェックポイント<br />
契約の一方当事者が，契約締結に先立ち，信義則上の説明義務に違反して，契約締結の可否に関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかったとしても，相手方は契約締結により被った損害につき債務不履行責任を負うことはない。<br />
■裁判例の概要<br />
（事案の概要）<br />
(1) 上告人は，中小企業等協同組合法に基づいて設立された信用協同組合であり，平成１４年７月３１日，総代会の決議により解散した。<br />
(2) 上告人は，平成６年に行われた監督官庁の立入検査において，資産の回収可能性等を基に査定された欠損見込額を前提とする自己資本比率の低下を指摘され，さらに，平成８年に行われた立入検査においても，資産の大部分を占める貸出金につき，欠損見込額が巨額になっており，上記自己資本比率がマイナス１．８０％であって実質的な債務超過の状態にあるなどの指摘を受け，文書をもって早急な改善を求められたが，その後も上記の状態を解消することができないままであった。<br />
(3) 平成１０年ないし平成１１年頃，上告人は，資産の欠損見込額を前提とすると債務超過の状態にあって，早晩監督官庁から破綻認定を受ける現実的な危険性があり，代表理事らは，このことを十分に認識し得たにもかかわらず，上告人の新大阪支店の支店長をして，被上告人らに対し，そのことを説明しないまま，上告人に出資するよう勧誘させた。<br />
(4) 被上告人らは，上記の勧誘に応じ，平成１１年３月２日，上告人に対し，各５００万円の出資をした（以下，上記の各出資を「本件各出資」といい，本件各出資に係る上告人と各被上告人との間の各契約を「本件各出資契約」という。）。<br />
(5) 上告人は，平成１２年１２月１６日，金融再生委員会から，金融機能の再<br />
生のための緊急措置に関する法律（平成１１年法律第１６０号による改正前のもの）８条に基づく金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分を受け，その経営が破綻した。被上告人らは，これにより，本件各出資に係る持分の払戻しを受けることができなくなった。<br />
そこで、被上告人らは、上告人に対し，主位的に，不法行為による損害賠償請求権又は出資契約の詐欺取消し若しくは錯誤無効を理由とする不当利得返還請求権に基づき，予備的に，出資契約上の債務不履行による損害賠償請求権に基づき，各５００万円及び遅延損害金の支払を求めた。原審は、主位的請求を棄却し、予備的請求を認容した。被上告人らは、上告しなかったので主位的請求棄却の判決は確定し、予備的請求である出資契約上の債務不履行による損害賠償請求の当否が争われた。<br />
（判旨）<br />
契約の一方当事者が，当該契約の締結に先立ち，信義則上の説明義務に違反して，当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には，上記一方当事者は，相手方が当該契約を締結したことにより被った損害につき，不法行為による賠償責任を負うことがあるのは格別，当該契約上の債務の不履行による賠償責任を負うことはないというべきである。<br />
なぜなら，上記のように，一方当事者が信義則上の説明義務に違反したために，相手方が本来であれば締結しなかったはずの契約を締結するに至り，損害を被った場合には，後に締結された契約は，上記説明義務の違反によって生じた結果と位置付けられるのであって，上記説明義務をもって上記契約に基づいて生じた義務であるということは，それを契約上の本来的な債務というか付随義務というかにかかわらず，一種の背理であるといわざるを得ないからである。契約締結の準備段階においても，信義則が当事者間の法律関係を規律し，信義則上の義務が発生するからといって，その義務が当然にその後に締結された契約に基づくものであるということにならないことはいうまでもない。<br />
このように解すると，上記のような場合の損害賠償請求権は不法行為により発生したものであるから，これには民法７２４条前段所定の３年の消滅時効が適用されることになるが，上記の消滅時効の制度趣旨や同条前段の起算点の定めに鑑みると，このことにより被害者の権利救済が不当に妨げられることにはならないものというべきである。<br />
●コメント<br />
契約責任と不法行為責任が競合する事例については、不法行為責任による解決を目指す方向が強まっているが、本判例もそのような傾向に与し理論的に一歩進めたもので、全文に当たるのも時間の無駄ではなかろう。<br />
有力な学説（我妻榮「債権各論上巻」３８頁参照）は、事実上契約によって結合された当事者間の関係は，何ら特別な関係のない者の間の責任（不法行為上の責任）以上の責任を生ずるとすることが信義則の要求するところであるとし，本件のように，契約は効力が生じたが，契約締結以前の準備段階における事由によって他方が損失を被った場合にも，「契約締結のための準備段階における過失」を契約上の責任として扱う場合の一つに挙げ，その具体例として，?素人が銀行に対して相談や問い合わせをした上で一定の契約を締結した場合に，その相談や問い合わせに対する銀行の指示に誤りがあって，顧客が損害を被ったときや，?電気器具販売業者が顧客に使用方法の指示を誤って，後でその品物を買った買主が損害を被ったときについて，契約における信義則を理由として損害賠償を認めるべきであるとするものがある。本判例中の千葉最高裁判事の補足意見は、この学説を引用し、説明義務違反が不法行為責任となり、説明義務の存否，内容，程度等は，当事者の立場や状況，交渉の経緯等の具体的な事情を前提にした上で，信義則により決められるものとされている。<br />
判示を見る限りは、不法行為請求棄却判決に対する上告があれば破棄差し戻しもあり得たかも知れない。</p>]]>
        
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    <title>判例チェック　№27　東京地裁平成18年5月15日判決</title>
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    <published>2011-04-27T04:20:17Z</published>
    <updated>2011-04-27T04:22:35Z</updated>

    <summary>判例チェック　№27　東京地裁平成18年5月15日判決 （判例時報1938号90頁） ★チェックポイント 建物賃借人たる株式会社の全株式が譲渡され，取締役等が変...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://higobashi.com/office/">
        <![CDATA[<p>判例チェック　№27　東京地裁平成18年5月15日判決<br />
（判例時報1938号90頁）<br />
★チェックポイント<br />
建物賃借人たる株式会社の全株式が譲渡され，取締役等が変更された場合，賃借権の無断譲渡に当たるか（消極）。<br />
■	事案の概要<br />
本件は，原被告間において，原告が被告に本件建物を貸し渡す旨の賃貸借契約（以下「本件賃貸借契約」という。）が締結されていたところ，被告において商号，役員，本店所在地を変更し，全株式がＡに譲渡されたことが，賃借権の無断譲渡に当たるとして，原告が本件賃貸借契約を解除し，本件賃貸借の終了に基づき，被告に対し，本件建物の明渡し及び解除日以降の賃料等の支払を求めた事案である。<br />
本件賃貸借契約には，「下記の場合には，甲（貸主）は，何らの催告を要しないで直ちに本契約を解除して乙（借主）に対して明渡を求めることが出来る。・・・２）賃借物件の一部又は全部につき，賃借権の譲渡，転貸をした場合。乙が他の債務により破産宣告，強制執行を受けた場合，株券譲渡，商号，役員変更等による脱法的無断賃借権の譲渡，転貸の場合を含む。」との特約（以下「本件特約条項」という。）があった。<br />
■	本判例の要旨<br />
「賃借人である法人の構成員や機関等に変動が生じても，法人格の同一性が失われるものではない。・・・Ｍ＆Ａにより被告の法人格が形骸化し，Ａの法人格と同一視されるべきに至っていると認めるに足りる証拠は見当たらない。したがって，このような状況をとらえて，賃借権の譲渡があったものと認めることは相当ではない。」<br />
「本件特約条項は，その文言上も，借主における株券譲渡，商号，役員変更等が直ちに賃借権の譲渡に当たると規定しているものではなく，このような手段による脱法的無断賃借権の譲渡が賃借権の譲渡に含まれる旨を記載しているにすぎない。また，実質的にみても，建物賃貸借関係においては，賃料の支払いの下に建物の使用を認めるものであるから，賃料の支払いの確実性と建物使用の態様が重視されるべき要素となるところ，本件においては，賃料の支払状況に変動はなく，将来の賃料支払の確実性についても，前述のようにＡが東証一部上場企業であることに照らせば，確実性が高まりこそすれ，低くなることは考え難い。建物使用の態様についても，従前と同一の店名でラーメン・中華料理店を営業しているものと認められ，店長をはじめ従業員の大部分において交代が生じたとしても，もともと営業を目的として法人に店舗の賃貸をしている以上，従業員の交代等は借主の都合により当然に許容されるべきものであり，これをもって建物使用の態様に変更が生じたものと認めることもできず，他に使用形態自体に変更があることを認めるに足りる証拠はない。さらに，Ａによる被告買収の主たる目的が承諾料等を支払うことなく，本件賃貸借による賃借権を取得することにあるものと認めることはできず，経営実権に変動が生じた借主が本件建物を賃借することになったとしても，それは，被告の法人組織全体がＭ＆Ａを受けたことにより，結果的に生じたものにすぎず，このような一連の流れにおいて被告の脱法的な意思の存在を窺わせるに足りる証拠もない。」<br />
■　コメント<br />
賃借人である会社の資本構成等の変動が賃借権の譲渡にあたるか，という問題については，最判平成8年10月14日（判例時報1586号73頁）が「貸借人が法人である場合において・・・構成員や機関に変動が生じても，法人格の同一性が失われるものではないから，賃借権の譲渡には当たらないと解すべきである。・・・貸借人に有限会社としての活動の実体がなく，その法人格が全く形骸化しているような場合はともかくとして，そのような事情が認められないのに・・・賃借権の譲渡に当たるとすることは，貸借人の法人格を無視するものであり，正当ではない。・・・賃貸人としては，有限会社の経営者である個人の資力，信用や同人との信頼関係を重視する場合には，右個人を相手方として賃貸借契約を締結し，あるいは，会社との間で賃貸借契約を締結する際に，賃借人が賃貸人の承諾を得ずに役員や資本構成を変動させたときは契約を解除することができる旨の特約をするなどの措置を講ずることができるのであり，賃借権の譲渡の有無につき右のように解しても，賃貸人の利益を不当に損なうものとはいえない。」と判示していたところ，本判決は，同判例を踏まえ，特約上の解除原因の存否についても具体的に判断しており，実務上参考になるものと思われる。<br />
以上</p>]]>
        
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    <title>判例チェック№26　大阪地裁平成22年5月25日判決</title>
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    <published>2011-04-27T00:31:40Z</published>
    <updated>2011-04-27T00:35:30Z</updated>

    <summary>判例チェック№26　大阪地裁平成22年5月25日判決 （判例時報2092号106頁） ★チェックポイント 請負業者と注文者との間の建築請負代金の減額合意が，請負...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://higobashi.com/office/">
        <![CDATA[<p>判例チェック№26　大阪地裁平成22年5月25日判決<br />
（判例時報2092号106頁）</p>

<p>★チェックポイント<br />
請負業者と注文者との間の建築請負代金の減額合意が，請負業者の運転資金の困窮に乗じたもので，当該請負工事の原価を超える部分の減額合意を公序良俗に反し無効として，不当利得返還請求を認めた例。</p>

<p>■事案<br />
ＡはＹの設立当初からＹの直営店舗及びフランチャイズ加盟店の店舗等の内装工事を請け負い，破産開始決定を受けるまで取引関係は継続していた。ＹはＡに対し，平成17年ころ以降，工事内容や請負代金額を決定しないまま，しかも，着手金や中間金も支払わないまま着工させ，工事完成引渡後，請負代金額の査定を経て初めて請負代金を支払っていた。<br />
請負金額の査定は，ＹのＢ部長がＡの見積書等に基づいて積算した金額を，Ｃ部長とＤが追加工事の有無にかかわらず基本工事の坪単価に坪数を乗じるなどの方法で算定した金額をもとに更に減額して最終査定額としたものであって，Ｂ部長の査定額の8割を下回る部分はＡが支出した原価にも満たない金額であった。しかし，Ｙ関連工事の割合は，本件各店舗工事が行われた平成18年ころには，Ａの全受注件数の9割を超えており，Ａは，その資金繰りをＹからの請負代金の一括支払金に依存していたため，Ｙの査定金額に応じざるを得なかった。<br />
その後，Ａは破産し，その破産管財人ＸがＹに対し，Ｂ部長の査定額の８割を下回る部分について不当利得の返還を求めた。</p>

<p>■判旨<br />
自らが優越的地位にあり，Ａが従属的地位にあることを利用して不当に利益を取得するために本件各減額合意をなしたものといわざるを得ず，本件各減額合意は，独占禁止法2条9項5号に違反しているか否かはさておき，私法上においては，少なくとも上記の限度で，公序良俗に反し，無効である。したがって，Ｙは，法律の原因なく，本件各店舗ごとの，Ｂ部長の査定額の8割に相当する額と本件各合意に基づきＹが支払った金額との差額の合計相当額の支払いを免れ，これによりＡは上記相当額の損失を受けたというべきである。従って，ＹはＸに対し，［不当利得に基づき］上記相当額の返還義務を負う［。］</p>

<p>■コメント<br />
同種事案の参考事例として紹介する。<br />
なお，Ａは，接待の強要があったとしてＹの不法行為（予備的に不当利得）を主張し，支出金額の半額の賠償（又は不当利得返還）を同時に請求したが，営業活動としての接待の範囲を逸脱するものではないとして請求を棄却されている。</p>]]>
        
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    <title>判例チェック　№25　最三小判平成２３年２月２２日</title>
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    <published>2011-04-13T00:49:57Z</published>
    <updated>2011-04-13T01:16:20Z</updated>

    <summary>判例チェック　№25　最三小判平成２３年２月２２日（最高裁HP搭載） ★チェックポイント 「相続させる」旨の遺言は、当該遺言で相続させるとされた相手方推定相続人...</summary>
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        <![CDATA[<p>判例チェック　№25　最三小判平成２３年２月２２日（最高裁HP搭載）</p>

<p>★チェックポイント<br />
「相続させる」旨の遺言は、当該遺言で相続させるとされた相手方推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には、相手方推定相続人の子に「相続させる」効力があるか（消極）</p>

<p>■事案<br />
遺言者Aは、平成５年に子の一人Bに全遺産を相続させる旨の本件遺言をしたが、Bは、平成１８年６月２１日にその子Cらを残して死亡し、次いで遺言者は、同年９月２３日に死亡した。<br />
Aの子でBの兄弟DはCらに対し、全遺産が自己に帰属する旨の確認を求めて出訴し、勝訴した。Cらは上告し、本件遺言においてＡの遺産を相続させるとされたＢがＡより先に死亡した場合であっても，本件遺言は効力を失うものではなく、Ｂの代襲者である上告人らが本件遺言に基づきＡの遺産を代襲相続することとなる旨主張した。</p>

<p>■判旨<br />
自己が死亡時に有する財産（遺産）「の承継に関する遺言をする者は，一般に，各推定相続人との関係においては，その者と各推定相続人との身分関係及び生活関係，各推定相続人の現在及び将来の生活状況及び資産その他の経済力，特定の不動産その他の遺産についての特定の推定相続人の関わりあいの有無，程度等諸般の事情を考慮して遺言をするものである。このことは，遺産を特定の推定相続人に単独で相続させる旨の遺産分割の方法を指定し，当該遺産が遺言者の死亡の時に直ちに相続により当該推定相続人に承継される効力を有する「相続させる」旨の遺言がされる場合であっても異なるものではなく，このような「相続させる」旨の遺言をした遺言者は，通常，遺言時における特定の推定相続人に当該遺産を取得させる意思を有するにとどまるものと解される。したがって，上記のような「相続させる」旨の遺言は，当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には，当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係，遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから，遺言者が，上記の場合には，当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り，その効力を生ずることはないと解するのが相当である。」</p>

<p>■コメント<br />
「相続させる」遺言で指定された受益相続人が遺言者より先死・同死した場合、遺言が失効するかについての最高裁の新判例であるが、通説に従ったものといえよう。<br />
ただ、判旨のうち「したがって」以下の遺言の解釈についての説示部分は、特に目新しいものではなく、本件事案では全遺産を特定の推定相続人に相続させることと、遺言執行者の指定の２か条のみの公正証書遺言であるから、解釈の余地はなく、単なる傍論にすぎず、ことさら説示するのは一人歩きの危険がある。判示の「特段の事情」の有無は、要式性の要請から遺言の文言を離れては解釈が許されず、遺言作成上留意するべきである。問題回避には、傍論部分の説示を考慮し、予備的遺言をしておくか、遺言作成後は事情の変化をフォローして随時適切な遺言に作り替えておくことが重要である。</p>]]>
        
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    <title>判例チェック　№24　仙台高決平成8年12月4日</title>
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    <published>2011-04-05T05:22:16Z</published>
    <updated>2011-04-05T05:26:23Z</updated>

    <summary>判例チェック　№２４　仙台高決平成8年12月4日（家裁月報49巻5号89頁） ★チェックポイント 　家庭裁判所において，相続放棄の申述が熟慮期間内のものであるか...</summary>
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        <![CDATA[<p>判例チェック　№２４　仙台高決平成8年12月4日（家裁月報49巻5号89頁）</p>

<p>★チェックポイント<br />
　家庭裁判所において，相続放棄の申述が熟慮期間内のものであるか否かを判断する場合には，その要件の欠缺が明らかでないときは，申述を受理すべきである。</p>

<p>■事案<br />
Ｘらの被相続人は，平成７年１１月１４日に死亡した。Ｘらは，銀行のＸらに対する平成８年３月１９日付け書面により，被相続人が同銀行に対し約１億円の債務を負っていることを知り，その後，被相続人宛ての書面を調べてみたところ，被相続人が他にも漁業協同組合等に約１億３５００万円の債務を負っていることを知った。Ｘらは家庭裁判所において相続放棄の申述をしたが，却下されたため，高等裁判所へ即時抗告した。</p>

<p>■判旨<br />
「家庭裁判所が相続放棄の申述を不受理とした場合の不服申立ての方法としては，高等裁判所への即時抗告だけが認められているにすぎず，その不受理の効果に比べて，救済方法が必ずしも十分であるとはいえないから，家庭裁判所において，その申述が熟慮期間内のものであるか否かを判断する場合には，その要件の欠缺が明らかであるときに，これを却下すべきであるとしても，その欠缺が明らかであるといえないようなときは，申述を受理すべきものと解するのが相当である。そして，このように解しても，被相続人の債権者は，後日，訴訟手続で相続放棄の効果を争うことができるのであるから，債権者に対して不足の損害を生じさせることにはならない。」</p>

<p>■コメント<br />
家庭裁判所が，相続放棄の申述を受理するか否かを判断する際に，何をどの程度審理することができるかについては，形式審査説（申述書が法定の形式的要件を具備するか否か，申述書に相続人と記載された者が熟慮期間内に申立てをしたか否かだけを審査）と実質的審査説（審判の範囲・程度については争いがある）の両説がある。<br />
審判実務においては，被相続人の死亡後３ヶ月を経過した相続放棄申述事件について，実質的審査説に立ち，申述人に対する照会・審問などにより，一応の審理をし，３ヶ月以内に相続放棄の申述をしなかったことについて相当の理由がないと明らかに判断できる場合にだけ申述を却下し，それ以外の場合は申述を受理する実務が定着しているようである。<br />
本判決は，家庭裁判所が相続放棄の申述を不受理とした場合に，申述人に認められる不服申立ての方法が不十分であり，他方，債権者は，家庭裁判所が相続放棄を受理してもなお，その効力を訴訟において争うことができる（最判昭和29年12月24日民集8．12．2310）ことから，相続放棄の要件の欠缺が明らかであるといえないようなときは，申述を受理すべきものであるとした。<br />
本判決は，上記審判実務を肯定するものとして，実務上参考になる。<br />
以上</p>]]>
        
    </content>
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    <title>判例チェック　№23 最高裁平成22年10月14日一小法廷判決</title>
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    <published>2011-03-02T06:45:13Z</published>
    <updated>2011-03-02T06:51:16Z</updated>

    <summary>判例チェック　№23 最高裁平成22年10月14日一小法廷判決（判例時報2097号34頁） ★チェックポイント 数社間で順次発注された工事の最終の受注者Ｘ（上告...</summary>
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        <![CDATA[<p>判例チェック　№23<br />
最高裁平成22年10月14日一小法廷判決（判例時報2097号34頁）</p>

<p>★チェックポイント<br />
数社間で順次発注された工事の最終の受注者Ｘ（上告人）と発注者Ｙ（被上告人）の間の「Ｙが請負代金の支払を受けた後にＸに対して請負代金を支払う」旨の合意は，請負代金の支払を受けることを停止条件とする旨の合意か，或いは支払を受けたとき又はその見込みがなくなったときに支払期限が到来する旨の合意か。<br />
■事案<br />
Ａは，指名競争入札で一部事務組合某から浄水場内の監視設備工事を請け負い，このうち監視設備機器（本件機器）の製造等については，ＡからＢ，Ｃ，Ｄ，Ｙ（被上告人），Ｘ（上告人）へと順次発注された。Ｘは本件機器を完成させてＡに引き渡し，請負代金はＡ→Ｂ→Ｃと順次支払われたところでＣが破産手続開始決定を受けた。ＸとＹとは，請負契約の締結に際し，支払条件欄中の支払基準欄に「入金リンクとする」との記載がある注文書と請書を取り交わし，Ｙが請負代金の支払を受けた後にＸに対して請負代金を支払う旨合意していた。<br />
■判旨<br />
ＸとＹとが，本件請負契約の締結に際して，本件入金リンク条項のある注文書と請書を取り交わし，Ｙが本件機器の製造等に係る請負代金の支払を受けた後にＸに本件代金を支払う旨を合意したとしても，有償双務契約である本件請負契約の性質に即して，当事者の意思を合理的に解釈すれば，本件代金の支払につき，Ｙが上記支払いを受けることを停止条件とする旨を定めたものとはいえず，本件請負契約においては，Ｙが上記請負代金の支払を受けたときは，その時点で本件代金の支払期限が到来すること，また，Ｙが上記支払いを受ける見込みがなくなったときは，その時点で本件代金の支払期限が到来することが合意されたものと解するのが相当である。<br />
■コメント<br />
本件合意については，停止条件なのか不確定期限なのかが文言上明らかでない。従って，合理的意思解釈が問題となる。原審は，Ｙは契約上何ら利益を得ておらず（受注金額と発注金額は同額であった。），代金支払の中継役にすぎなかったものとして，本件入金リンク条項はＹが請負代金の支払を受けることを停止条件とする旨の合意であるとした。しかし，最高裁は，有償双務契約たる請負契約において注文主の請負代金支払義務を停止条件付とすることは通常は想定し難く，また本件請負契約は公共事業に係るもので請負代金の支払が確実であることを前提に締結されたものと見るのが相当であるとして，原審判決を破棄差戻したものである。</p>]]>
        
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    <title>判例チェック　№22　最高裁判所平成15年10月10日判決</title>
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    <published>2010-12-10T00:26:16Z</published>
    <updated>2010-12-10T00:28:13Z</updated>

    <summary>判例チェック　№22　最高裁判所平成15年10月10日判決 （判例時報1840号18頁） ★チェックポイント 当事者が，より安全性の高い建物にするなどのために，...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://higobashi.com/office/">
        <![CDATA[<p>判例チェック　№22　最高裁判所平成15年10月10日判決<br />
（判例時報1840号18頁）</p>

<p>★チェックポイント<br />
当事者が，より安全性の高い建物にするなどのために，特に工事内容について合意していた場合には，その合意に反した工事による建物は，たとえ当該建物が建物としての一般的な安全性を備えていたとしても，同建物には「瑕疵」があるといえる。</p>

<p>■事案<br />
本件は，上告人（Ｙ）から建物の新築工事を請け負った被上告人（Ｘ）が，Ｙに対し，請負残代金の支払を求めたのに対し，Ｙが，建築された建物に瑕疵があること等を主張し，瑕疵の修補に代わる損害賠償債権等と請負残代金債権との相殺を主張して，Ｘの上記請負残代金の請求を争う事案である。<br />
Ｙは，平成７年１１月，建築等を業とするＸに対し，神戸市内において，学生，特に神戸大学の学生向けのマンションを新築する工事（以下「本件工事」という。）を請け負わせた（以下，この請負契約を「本件請負契約」といい，建築された建物を「本件建物」という。）。<br />
Ｙは，建築予定の本件建物が多数の者が居住する建物であり，特に，本件請負契約締結の時期が，同年１月１７日に発生した阪神・淡路大震災により，神戸大学の学生がその下宿で倒壊した建物の下敷きになるなどして多数死亡した直後であっただけに，本件建物の安全性の確保に神経質となっており，本件請負契約を締結するに際し，Ｘに対し，重量負荷を考慮して，特に南棟の主柱については，耐震性を高めるため，当初の設計内容を変更し，その断面の寸法３００mm×３００mmの，より太い鉄骨を使用することを求め，Ｘは，これを承諾した。ところが，Ｘは，上記の約定に反し，Ｙの了解を得ないで，構造計算上安全であることを理由に，同２５０mm×２５０mmの鉄骨を南棟の主柱に使用し，施工をした。<br />
なお，原審は，上記事実関係の下において，Ｘには，南棟の主柱に約定のものと異なり，断面の寸法２５０mm×２５０mmの鉄骨を使用したという契約の違反があるが，使用された鉄骨であっても，構造計算上，居住用建物としての本件建物の安全性に問題はないから，南棟の主柱に係る本件工事に瑕疵があるということはできないとしていた。</p>

<p>■判旨<br />
「本件請負契約においては，上告人及び被上告人間で，本件建物の耐震性を高め，耐震性の面でより安全性の高い建物にするため，南棟の主柱につき断面の寸法３００mm×３００mmの鉄骨を使用することが，特に約定され，これが契約の重要な内容になっていたものというべきである。そうすると，この約定に違反して，同２５０mm×２５０mmの鉄骨を使用して施工された南棟の主柱の工事には，瑕疵があるものというべきである。」</p>

<p>■コメント<br />
「瑕疵」には主観的瑕疵と客観的瑕疵の双方を含むというのが，通説である。すなわち，契約当事者が一定の品質・性能を備えていることを前提として契約を締結した場合には，たとえ通常であれば当該目的物が備えるべき品質・性能を備えていたとしても，当該契約において給付すべき目的物としては主観的瑕疵があるといえる。また，契約当事者が，具体的な品質・性能について合意していなかった場合においても，目的物の性質上，当然備わるべき品質・性能を欠いている場合には，客観的瑕疵が認められる。<br />
本判例においても，南棟の主柱の太さが「特に約定され，これが契約の重要な内容になっていた」ことから，本件建物の安全性には問題がなくとも，当該約定違反が「瑕疵」として認められており，判例も通説と同様の考え方を立つものといえよう。<br />
なお，債権法改正にかかる法制審議会においては，瑕疵を「物の給付を目的とする契約において，物の瑕疵とは，その物の備えるべき性能，品質，数量を備えていない等，当事者の合意，契約の趣旨および性質（有償，無償等）に照らして，給付された物が契約に適合しないことをいう。」旨定義することが議論されている。（平成22年12月9日現在）<br />
以上</p>]]>
        
    </content>
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    <title>判例チェック　№21　東京地裁平成22年5月22日判決</title>
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    <published>2010-10-15T01:17:25Z</published>
    <updated>2010-10-15T01:19:23Z</updated>

    <summary>判例チェック　№21 東京地裁平成22年5月22日判決 （金融法務事情1902号144頁） ★チェックポイント １　株式会社の新設分割が詐害行為取消権の対象とな...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://higobashi.com/office/">
        <![CDATA[<p>判例チェック　№21<br />
東京地裁平成22年5月22日判決<br />
（金融法務事情1902号144頁）<br />
★チェックポイント<br />
１　株式会社の新設分割が詐害行為取消権の対象となることを肯定したうえで，新設分割会社が新設分割の対価として新設分割設立会社の全株式を取得したとしても当該新設分割が新設分割会社の債権者を害するものとされた事例。<br />
２　詐害行為となる新設分割の目的資産が可分であり，当該新設分割を取り消し得る範囲は債権者の被保全債権の額が限度となるものの，その原状回復の方法としては，逸出した資産の現物返還に代えて価格賠償を請求することができるとされた事例。<br />
■	事案の概要<br />
リース事業等を営むＸがクレープ飲食事業及び広告宣伝事業等を含むＹ１に対し，店舗内装に関する割賦販売契約の約定に基づく損害賠償金及び厨房什器設備等に関するリース契約の約定に基づく損害賠償金等（以下「本件債権」という。）の支払を求めるとともに，債務超過であったＹ１が新設分割（以下「本件会社分割」という。）によってクレープ飲食事業に関する権利義務を承継させたＹ２に対し，本件会社分割が詐害行為に該当するとして，詐害行為取消権に基づき本件会社分割の取消を請求するとともに，価格賠償として本件債権の元本合計額に相当する金員及びこれに対する本件会社分割を取り消す判決確定の日の翌日から支払済みまで民法所定の年５分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案。<br />
なお，本件会社分割によってＹ２が承継すべき資産は，Ｙ１が保有する無担保資産が殆どであり，その余の資産が存在するか否かは不明である一方，承継すべき債務について，本件分割効力発生日にＹ１が重畳的債務引受をするとされた。また，設立時発行株式総数は４００株（資本金２０００万円）であり，その全株式がＹ１に交付された（ただし，その後，増資により，Ｙ１の株式保有割合は２８パーセント程度となった）。<br />
Ｙ１は，本件分割効力発生日以降，本社事務所を引き払い，従業員もなく，決算も含めた経理処理もされておらず，会社の実体はない。<br />
■	判決の要旨<br />
（１）本件会社分割の詐害性<br />
「詐害行為取消権は，総債権者の共同担保となるべき債務者の一般財産（責任財産）を保全するための制度であるから，無資力である債務者が一般財産を減少させ得る法律行為をした場合に，これが債権者を害する債務者の一般財産減少行為，すなわち，詐害行為となるか否かについては，単に当該法律行為の前後において，計算上一般財産が減少したとはいえないときでも，一般財産の共同担保としての価値を実質的に毀損して，債権者が自己の有する債権について弁済を受けることがより困難となったと認められる場合には，詐害行為に該当する・・・本件会社分割により，一方で，被告Ｙ１の保有する債権を中心とするほとんどの無担保の残存資産が逸出して同被告は会社としての実体がなくなり，他方で，同被告が対価として取得した被告Ｙ２の株式は，非上場株式であり，株主が廉価で処分することは容易であっても，一般的には流動性が乏しく，被告Ｙ１の債権者にとっては，株主名簿を閲覧する権利もなく（会社法125条2項），株券が発行されればより一層，これを保全することには著しい困難が伴い，更に強制執行の手続においても，その財産評価や換価をすることには著しい困難を伴うものと認めることができる。そうすると，本件会社分割により，同被告の一般財産の共同担保としての価値を実質的に毀損して，その債権者である原告が自己の有する本件被担保債権について弁済を受けることがより困難となったといえるから，本件会社分割には詐害性が認められる」<br />
（２）取消範囲及び原状回復方法<br />
「詐害行為取消権は，債権者の債権を保全するため，その債権を害すべき債務者の行為を取り消す権利であるから，債権者は原則として自己の有する被保全債権を超過して取消権を行使することはできない・・・そのため，詐害行為自体は単一の行為であっても，詐害行為の目的物が可分であるときは，その取消の範囲は，その債権者の被保全債権額を限度とし・・・ただし，目的物が不可分であるときは，その取消の範囲は，債権者の被保全債権額を超えても目的物全体に及ぶ・・・また，詐害行為の目的物の中に担保権が付された部分があるなど，その全部を取り消すことができないときは，その被担保債権額などを除いた一般財産につき，一部取消をするほかない・・・詐害行為が取り消されたときの原状回復の方法としては，詐害行為により逸出した財産を返還させることが可能でればできるだけその現物返還を認めるべきであり，これが不可能または著しく困難な場合には，逸出した財産の返還に代えてその価格賠償をさせることになる・・・詐害行為となる本件会社分割の目的物である上記資産（金銭債権及び固定資産）が，可分であることは明らかである。したがって，本件会社分割を詐害行為として取り消す範囲は，詐害行為の目的物が可分であるとして，債権者である原告の被保全債権の額，すなわち，１９１１万５０４０円を限度とするというべきである・・・本件会社分割が詐害行為として取り消されたときの原状回復の方法としては，本件会社分割により承継された資産を現物返還させることが可能であればできるだけこれを認めるべきであるが，本件会社分割により承継させた資産は，別紙４承継権利義務明細表に記載されたとおりに特定されるのみで，個別の権利として特定されておらず，さらに，本件会社分割の後，・・・新設分割設立会社が事業を継続していることからすると，上記資産に変動を生じさせていることは容易に推測できるのであり，債権者にとって，承継された上記資産を特定してこれを返還させることは著しく困難であると認めることができる。したがって，原告は，被告に対し，逸出した財産の現物返還に代えてその価格賠償を請求することができる」<br />
■　コメント<br />
　近時，会社資産を流出させて，一部の債権者を害する形で，会社分割が濫用されている事案が存しているところ，本判決は，このような現状に対し警鐘を鳴らすものであり，また詐害性の認定や取消の範囲等の認定に特徴を有しており，実務上参考になる。<br />
　なお，本判決と同様に会社分割の濫用が問題となった裁判例として，福岡地判平成２１年１１月２７日（否認権行使）や福岡地判平成２２年１月１４日（法人格否認の法理）がある。<br />
以　上</p>]]>
        
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    <title>判例チェック　№20　最高裁平成２２年７月１５日判決</title>
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    <published>2010-09-17T00:22:36Z</published>
    <updated>2010-09-17T00:30:38Z</updated>

    <summary>判例チェック　№20 最高裁平成２２年７月１５日判決・損害賠償請求事件 （最高裁ホームページ） ★チェックポイント 　Ａ社がＢ社の株式を任意買い受ける場合に、取...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://higobashi.com/office/">
        <![CDATA[<p>判例チェック　№20<br />
最高裁平成２２年７月１５日判決・損害賠償請求事件<br />
（最高裁ホームページ）<br />
★チェックポイント<br />
　Ａ社がＢ社の株式を任意買い受ける場合に、取締役がした株式買い取り価格の決定に善管注意義務違反があるか（消極）<br />
■裁判例の概要<br />
（事案の概要）<br />
　Ｘ（被上告人）はＡ社の株主、ＹｎはＡ社の代表取締役又は取締役、Ｂ社はＡ社の子会社、Ｃ社はＡ社の完全子会社である。<br />
　Ａ社は、Ｂ社をＣ社に合併するため、Ｂ社の株式を１株５万円の買い取り価格（以下「本件買取価格」という。）で任意で買い受け（以下「本件取引」という。）、Ｂ社との間で株式交換契約を締結した。Ｘは、本件買取価格が不当に高額でありＹｎに取締役の善管注意義務違反があると主張して、会社法８４７条に基づき、同法４２３条１項の損害賠償責任を追及する訴訟を提起した。原判決では、本件買取価格は１万円と認めるのが相当とされ、本件買取価格との差額４万円に本件取引の買受株数を乗じた金額相当の支払が命じられている。<br />
　本件取引に至ったのには、以下の事情がある。Ａ社は、Ｂ社を含む傘下子会社をグループ企業として不動産賃貸斡旋のフランチャイズチェーン事業を展開し、Ｂ社は備品付マンスリーマンション事業を営み、設立時株式払込金額は５万円であり、その発行済株式総数の約３分の２に相当する６６３０株をＡ社が保有し、Ａ社のフランチャイズ事業の加盟店もＢ社の株主となっている。Ａ社は、経営戦略上、完全子会社に主要事業を担当させ、自社は持株会社とする事業再編計画を策定し、同計画に沿って、Ｂ社をＣ社に合併して、不動産賃貸管理業務事業を担当させる計画を立てた。<br />
　Ａ社には、社長の業務執行を補佐するための諮問機関として，役付取締役全員によって構成され，参加人及びその傘下のグループ各社の全般的な経営方針等を協議する経営会議が設置されている。経営会議には，Ｙ1 が代表取締役 として，上告人Ｙ2及び同Ｙ3が取締役として出席し，Ｂ社とＣ社との合併に関する議題が協議された。そして，その席上，? Ａ社の重要な子会社であるＢ社は，完全子会社である必要があり，そのためには，Ｂ社もＣ社との合併前に完全子会社とする必要があること，? Ｂ社を完全子会社とする方法は，Ａ社の円滑な事業遂行を図る観点から，株式交換ではなく，可能な限り任意の合意に基づく買取りを実施すべきであること，? その場合の買取価格は払込金額である５万円が適当であることなどが提案された。Ａ社から上記提案につき助言を求められた弁護士は，基本的に経営判断の問題であり法的な問題はないこと，任意の買取りにおける価格設定は必要性とバランスの問題であり，合計金額もそれほど高額ではないから，Ｂ社の株主である重要な加盟店等との関係を良好に保つ必要性があるのであれば許容範囲である旨の意見を述べた。協議の結果，上記提案のとおり１株当たり５万円の買取価格（以下「本件買取価格」という。）でＢ社の株式の買取りを実施することが決定され（以下「本件決定」という。），併せて，当時Ａ社との間で紛争が生じており買取りに応じないことが予想された株主については，株式交換の手続が必要となる旨の説明がされ，了承された。<br />
  Ａ社は，Ｂ社を完全子会社とするために実施を予定していた株式交換に備え，監査法人等２社に株式交換比率の算定を依頼した。提出された交換比率算定書のＢ社の１株当たりの株式評価額は、６５６１円ないし１万９０９０円とされた。<br />
  Ａ社は，本件決定に基づき，Ａ社以外のＢ社の株主のうち，買取りに応じなかった１社を除く株主から，株式３１６０株を１株当たり５万円，代金総額１億５８００万円で買い取ったのが本件取引である。<br />
　その後，Ａ，Ｂ両社間で株式交換契約が締結され，Ａの株式１株について，参加人の株式０．１９２株の割合をもって割当交付するものとされた。<br />
（判旨）<br />
　前記事実関係によれば，本件取引は，Ｂ社をＣ社に合併して不動産賃貸管理等の事業を担わせるというＡ社のグループの事業再編計画の一環として，Ｂ社をＡ社の完全子会社とする目的で行われたものであるところ，このような事業再編計画の策定は，完全子会社とすることのメリットの評価を含め，将来予測にわたる経営上の専門的判断にゆだねられていると解される。そして，この場合における株式取得の方法や価格についても，取締役において，株式の評価額のほか，取得の必要性，参加人の財務上の負担，株式の取得を円滑に進める必要性の程度等をも総合考慮して決定することができ，その決定の過程，内容に著しく不合理な点がない限り，取締役としての善管注意義務に違反するものではないと解すべきである。<br />
　以上の見地からすると，Ａ社がＢ社の株式を任意の合意に基づいて買い取ることは，円滑に株式取得を進める方法として合理性があるというべきであるし，その買取価格についても，Ｂ社の設立から５年が経過しているにすぎないことからすれば，払込金額である５万円を基準とすることには，一般的にみて相応の合理性がないわけではなく，Ａ社以外のＢ社の株主にはＡ社が事業の遂行上重要であると考えていた加盟店等が含まれており，買取りを円満に進めてそれらの加盟店等との友好関係を維持することが今後におけるＡ社及びその傘下のグループ企業各社の事業遂行のために有益であったことや，非上場株式であるＢ社の株式の評価額には相当の幅があり，事業再編の効果によるＢ社の企業価値の増加も期待できたことからすれば，株式交換に備えて算定されたＢ社の株式の評価額や実際の交換比率が前記のようなものであったとしても，買取価格を１株当たり５万円と決定したことが著しく不合理であるとはいい難い。そして，本件決定に至る過程においては，Ａ社及びその傘下のグループ企業各社の全般的な経営方針等を協議する機関である経営会議において検討され，弁護士の意見も聴取されるなどの手続が履践されているのであって，その決定過程にも，何ら不合理な点は見当たらない。<br />
　以上によれば，本件決定についてのＹnの判断は，Ａ社の取締役の判断として著しく不合理なものということはできないから，Ｙnが，Ａ社の取締役としての善管注意義務に違反したということはできない。<br />
●コメント<br />
　グループの統括会社の取締役が、将来予測にわたる経営上の専門的判断の下で事業再編計画の策定として、統括会社の株式取得の方法や価格を決定するに当たっては、単に株式の評価額だけではなく、株式取得の必要性、統括会社の財務上の負担、株式の取得を円滑に進める必要性の程度などを総合的に考慮して決定できるのであって、これらを総合的に考慮したならば、その決定の過程、内容に著しく不合理な点がない限り、取締役の善管注意義務に違反はないとするものである。その決定過程に合理性があるかは、統括会社の権限ある機関の審査を経ているか、弁護士の意見が聴取されているかなどが判断基準としてあげられている。</p>]]>
        
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    <title>判例チェック　№19　最高裁判所第３小法廷平成22年3月16日判決</title>
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    <published>2010-05-10T04:38:55Z</published>
    <updated>2010-05-10T06:53:39Z</updated>

    <summary>判例チェック　№19 最高裁判所第３小法廷平成22年3月16日判決・退職慰労金等請求事件 （最高裁HP） ★　チェックポイント 株主総会の決議を経て内規に従い支...</summary>
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        <![CDATA[<p>判例チェック　№19<br />
最高裁判所第３小法廷平成22年3月16日判決・退職慰労金等請求事件<br />
（最高裁HP）</p>

<p>★　チェックポイント<br />
株主総会の決議を経て内規に従い支給される退職慰労年金につき，集団的，画一的な処理が制度上要請されるなどを理由として，内規の廃止により退職慰労年金債権を失わせることはできない。<br />
■　事案の概要<br />
Ｘは銀行業を営む株式会社であるＹの取締役を退任した日に開催された株主総会決議等において、Ｙの定める一定の基準による相当額の範囲内でＸに退職慰労金を贈呈することとし、その具体的金額、贈呈の時期、方法等については取締役会に一任する旨の決議をした。その後、取締役会は、これらの事項を代表取締役に一任する決議をした。上告人の退任当時,被上告人においては,役員の退職慰労金の算定基準等を定める本件内規が存在し,これによれば,退職慰労金には退職慰労一時金と退職慰労年金とがあり,退職慰労年金については、取締役会決議のあった月の翌月から20年間とするなどとされていた。Ｙは、Ｘに対し、退職慰労金のほかに平成13年3月分から同16年4月まで退職慰労年金を支給してきた。<br />
しかし、Ｙは、平成9年度及び同10年度に経常損失を計上し、同年度の不良債権処理額は約314億円に上ったため、平成11年9月400億円の公的資金導入を受け、Ｙの株式保有会社は、平成15年、経営健全化目標の達成が不十分であるとして,金融庁から業務改善命令を受けた。Ｙは,平成15年8月?9月、上告人を含む退職慰労年金を受給中の元取締役らに対し、退職慰労年金の支給を停止せざるを得なくなったとして,上記)の経緯等を口頭及び書面で説明し,Ｘを除く大部分の者から同意を得たが、更に、平成16年4.月12日開催の取締役会において,同月30日をもって本件内規を廃止する旨の決議をし,同年5月1日,退職慰労金として退職慰労一時金だけを支給するものとする「役員退職慰労金内規」を施行して,同月以降の本件退職慰労年金の支給を打ち切ったので、ＸはＹに対し、未支給年金の支払いを求めた。<br />
　原審判決は、Ｙと退任取締役との間の退職慰労年金支給に関する契約は,同時期の退職者間のみならず,異なる時期に退職する取締役相互間の公平を図るため,本件内規に従い画一的に金額が算出されるようになっていること、退職慰労年金の支給期間は20年という長期にわたるところ,その間に社会経済情勢,会社の状況等が大きく変化した場合,既に退任した取締役と将来退任する取締役との間に不公平が生ずるおそれがあること、したがって,本件内規に変更又は廃止についての定めが置かれていなくても,退職慰労年金については,集団的,画一的処理を図るという制度的要請から,Ｙは、変更等の必要性,内容の妥当性,手続の相当性を考慮して一定の場合には本件内規を改廃することができ, Ｙの経営状況等に照らし,取締役の退職慰労年金制度廃止の必要性は極めて高かったと認められることなどの事情に照らせば,本件内規が改廃された場合には,これに同意しない者に対してもその効力が及ぶと解すべきであるとして、Ｘの請求を棄却した。<br />
■　本判例の要旨<br />
　本判例の要旨は、「退任取締役が被上告人の株主総会決議による個別の判断を経て具体的な退職慰労年金債権を取得したものである以上、その支給期間が長期にわたり,その間に社会経済情勢等が変化し得ることや,その後の本件内規の改廃により将来退任する取締役との間に不公平が生ずるおそれがあることなどを勘案しても、退職慰労年金については,上記のような集団的,画一的処理が制度上要請されているという理由のみから,本件内規の廃止の効力を既に退任した取締役に及ぼすことは許されず,その同意なく上記退職慰労年金債権を失わせることはできないと解するのが相当である。」というものである。<br />
その理由として説示するところは、Ｙの取締役に対する退職慰労年金は、取締役の職務執行の対価として支給される趣旨を含むものと解されるから,会社法361条1項にいう報酬等に当たる。本件内規に従って決定された退職慰労年金支給は、取締役の退任、Yの定める一定の基準による相当額の範囲内で支給するが、具体的金額、時期、方法等は取締役会に一任する旨のＹの株主総会における決議、取締役会おける代表取締役への一任決議という過程を経て、代表取締役と退職取締役間で本件内規を内容とする慰労金支給契約が成立し、退職取締役は、それにより具体的な退職慰労年金債権を取得する。そして、このようにして成立した慰労年金支給契約は、退任取締役間の公平を図り集団的、画一的な処理をするため、成立後においてその効力を失わせることができるという法的性質をおびるものではないではないというのである。<br />
■　コメント<br />
　なるほど、会社と退任取締役間に成立した慰労年金支給契約の内容が退任当時の内規所定の支給基準により支払うというものであるから、成立した合意の支給基準のとおり支払うべきであるという本件判例も一定の理由がある。<br />
　しかし、本件慰労年金支給契約は、本判例判示のとおり、取締役の退任、Ｙの株主総会における取締役会に一任する決議、取締役会おける代表取締役への一任決議という過程を経て、代表取締役と退職取締役間で本件内規を内容とする慰労年金支給契約が成立したのである。その過程からすると、同契約の内容は、取締役会の一任決議による代表取締役に対する授権の範囲で決定されたといえる。授権の内容は、内規を基礎とするから、支給額のみならず支給の有無も内規の変更に応じて変更されると解される余地も充分あるのではないか。原判決もその趣旨のように思われる。元取締役の大部分が内規の変更の結果を受け入れているし、本判例の如く画一的・硬直的に処理するならば、確定拠出年金法４５条1号、４６条１項により、厚生労働大臣の承認による企業型年金の終了にもかかわらず、退任取締役の年金負担を在職従業員に強制することになり、このようなことは、企業経営上も、好ましいことではない。アメリカの企業破綻にもかかわらず取締役報酬が多額に上ることが激しい論議の対象となったこともある。<br />
　本判例は、内規の支給基準が退職年金支給契約の内容となり、同契約は、その性質上原審説示のような変更事由を定めるものではないことを認める最高裁の立場を示すものとして、注目すべきである。しかし、他方において、黙示的な（変更事由を認める）合意の有無,事情変更の原則の適用の有無等につき更に審理を尽くさせるため,原審に差し戻しており、事案の具体的解決についてはこれらの点も重要であろうから、今後これらについての裁判所の判断も注目するべきである。</p>]]>
        
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    <title>判例チェックNo．18　最高裁平成21年11月9日第２小法廷判決</title>
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    <published>2010-04-07T02:17:59Z</published>
    <updated>2010-04-07T02:20:06Z</updated>

    <summary>（判例時報2064号56頁） ★チェックポイント 民法７０４条後段の規定の趣旨。 ■事案 本件は，Ｘが，貸金業者Ｙとの間の継続的な金銭消費貸借契約に基づいてした...</summary>
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        <![CDATA[<p>（判例時報2064号56頁）</p>

<p>★チェックポイント<br />
民法７０４条後段の規定の趣旨。</p>

<p>■事案<br />
本件は，Ｘが，貸金業者Ｙとの間の継続的な金銭消費貸借契約に基づいてした弁済につき，過払金の返還等を求めるとともに，民法７０４条後段に基づき過払金の返還請求訴訟に係る弁護士費用相当額の損害賠償等の支払を求めた事案である。<br />
原審は，Ｘの民法７０４条後段に基づく損害賠償請求を認容すべきものとした。すなわち，原審は，民法７０４条後段の規定が不法行為に関する規定とは別に設けられていること，善意の受益者については過失がある場合であってもその責任主体から除外されていることなどに照らすと，同条後段の規定は，悪意の受益者の不法行為責任を定めたものではなく，不当利得制度を支える公平の原理から，悪意の受益者に対し，その責任を加重し，特別の責任を定めたものと解するのが相当であるとして，悪意の受益者は，その受益に係る行為に不法行為法上の違法性が認められない場合であっても，民法７０４条後段に基づき，損害賠償責任を負うと考えた。</p>

<p>■判旨<br />
不当利得制度は，ある人の財産的利得が法律上の原因ないし正当な理由を欠く場合に，法律が公平の観念に基づいて受益者にその利得の返還義務を負担させるものであり，不法行為に基づく損害賠償制度が，被害者に生じた現実の損害を金銭的に評価し，加害者にこれを賠償させることにより，被害者が被った不利益を補てんして，不法行為がなかったときの状態に回復させることを目的とするものであるのとは，その趣旨を異にする。不当利得制度の下において受益者の受けた利益を超えて損失者の被った損害まで賠償させることは同制度の趣旨とするところとは解し難い。したがって，民法７０４条後段の規定は，悪意の受益者が不法行為の要件を充足する限りにおいて，不法行為責任を負うことを注意的に規定したものにすぎず，悪意の受益者に対して不法行為責任とは異なる特別の責任を負わせたものではないと解するのが相当である。</p>

<p>■コメント<br />
民法７０４条後段の規定の趣旨を考える実益は，同規定の趣旨の解釈に応じてその損害賠償責任の成立要件が相違することにある。すなわち，同規定の趣旨を，原審のように悪意の受益者に対する責任を加重した特別の責任を定めたものと解する見解（特別責任説）によれば，悪意の受益者であれば，それだけで民法７０４条後段の損害賠償責任を負担することになる。これに対して，同規定の趣旨を，本判決のように，悪意の受益者が不法行為の要件を充足する限りにおいて不法行為責任を負うことを注意的に規定したものと解する見解（不法行為責任説）によれば，仮に悪意の受益者であっても，その不法行為の成否は，例えば一般不法行為であれば民法７０９条の成立要件を充足するか否かに係り，同条の要件充足性を別途検討する必要があることになる。<br />
近時の過払金返還請求訴訟において，法定利息を定める民法７０４条前段の規定にとどまらず，損害賠償責任を定める民法７０４条後段の規定を活用しようとする訴えが相当数提起された結果，この点を判断する下級審判例が多く見られるようになっていた。本判決は民法７０４条後段の規定の趣旨について，最高裁の判断を示したものであり，重要な意義を有するものである。</p>]]>
        
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