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コロナ問題 Legal Advice

Q&A 新型コロナウイルス感染症に関する法的問題【株主総会関連】
2020-05-21
Q&A 新型コロナウイルス感染症に関する法的問題【株主総会関連】
Q 新型コロナウイルス感染症に関連して,緊急事態宣言は解除されましたが,まだ第二波がくる可能性も叫ばれている状況ですので,定時株主総会の開催方法について検討していますが,定款に定めた開催時期を延期することはできるのでしょうか。
 
 
A 緊急事態宣言が解除されていても,諸般の事情によっては,定時株主総会を延期することができるものと考えます。開催する場合でも,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策を講ずることが重要です。
 
<解説>
 ご質問の内容については,次の法務省の見解が参考になります。かかる見解に鑑みれば,緊急事態宣言が解除された場合であっても,その後の感染状況及び当該企業の規模等の諸般の事情を踏まえ,定款に定めた時期に開催をすることができない状況であると判断できる場合には延期することも可能であると思料します。
(1)定時株主総会の延期について
 法務省においては,「定時株主総会の開催時期に関する定款の定めがある場合でも,通常,天災その他の事由によりその時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じたときまで,その時期に定時株主総会を開催することを要求する趣旨ではないと考えられます。したがって,今般の新型コロナウイルス感染症に関連し,定款で定めた時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合には,その状況が解消された後合理的な期間内に定時株主総会を開催すれば足りるものと考えられます。なお,会社法は,株式会社の定時株主総会は,毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならないと規定していますが(会社法第296条第1項),事業年度の終了後3か月以内に定時株主総会を開催することを求めているわけではありません。」との見解を示しています。
(2)その他
 ア 定時株主総会の議決権行使のための基準日に関する定款の定めについて  
 会社法上,基準日株主が行使することができる権利は,当該基準日から3か月以内に行使するものに限られます(会社法第124条第2項)。したがって,定款で定時株主総会の議決権行使のための基準日が定められている場合において,新型コロナウイルス感染症に関連し,当該基準日から3か月以内に定時株主総会を開催できない状況が生じたときは,会社は,新たに議決権行使のための基準日を定め,当該基準日の2週間前までに当該基準日及び基準日株主が行使することができる権利の内容を公告する必要があります(会社法第124条第3項本文)。
 イ 剰余金の配当の基準日に関する定款の定めについて 
 特定の日を剰余金の配当の基準日とする定款の定めがある場合でも,今般の新型コロナウイルス感染症に関連し,その特定の日を基準日として剰余金の配当をすることができない状況が生じたときは,定款で定めた剰余金の配当の基準日株主に対する配当はせず,その特定の日と異なる日を剰余金の配当の基準日と定め,当該基準日株主に剰余金の配当をすることもできます。なお,このように,剰余金の配当の基準日を改めて定める場合には,2の場合と同様に,当該基準日の2週間前までに公告する必要があります(会社法第124条第3項本文)。
2 株主総会を開催する場合の対応策等
 株主総会を開催する場合であっても,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策を講じる必要があります。その内容に関しては,書面又は電磁的方法による議決権行使のほか,ハイブリッド型バーチャル株主総会(経済産業省:ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド)なども検討されています。また,会場に入場できる株主の人数を制限,発熱の症状を有する株主に対する対応等についても検討しておく必要があります(経済産業省:株主総会運営に係るQ&A)。
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