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判例

判例チェック No.50 最高裁第一小法廷 平成26年4月24日判決・執行文付与請求事件

カテゴリ:判例
判例チェック№50
最高裁第一小法廷 平成26年4月24日判決・執行文付与請求事件(最高裁ホームページ)
 
★チェックポイント
1 免責許可の決定が確定した債務者に対し確定した破産債権を有する債権者が,当該破産債権が非免責債権に該当することを理由として,当該破産債権が記載された破産債権者表について執行文付与の訴えを提起できるか(消極)
2 破産債権者表に記載された確定した破産債権がその記載内容等から非免責債権に該当するときには,破産債権を有する債権者は、民事執行法26条の規定により執行文付与の申立ができるか(積極)。
事案の概要
 免責許可の決定が確定した債務者に対し確定した破産債権を有する債権者が,当該破産債権が非免責債権に該当することを理由として,当該破産債権が記載された破産債権者表について執行文付与の訴えを提起したが、却下されたので上告したけれども、棄却された。
判旨
 本判決は、(1)執行文付与の訴えの審理対象は条件事実の到来又は債務名義に表示された当事者以外の者に対し、若しくはその者のために強制執行をすることの可否に限定しており、他方、(2)破産債権者表に記載された確定した破産債権が免責債権と取り扱われるような場合の債権者の救済は、執行文付与の訴えではなく、民事執行法26条の執行文付与の申立によるべきであるとした。すなわち、「破産事件の記録の存する裁判所の裁判所書記官は,破産債権者表に免責許可の決定が確定した旨の記載がされている場合であっても,破産債権者表に記載された確定した破産債権がその記載内容等から非免責債権に該当すると認められるときには,民事執行法26条の規定により執行文を付与することができる」としている。
★ コメント
 本判例の説示中で引用されている判例は旧法下のものであるが、金銭債務の相続人に対する承継執行文付与を求める訴訟で、被告が相続開始前及び開始後における債務の消滅を主張したところ、最高裁は、執行文付与の訴えは条件成就または債務の承継の事実が証明対象であり、請求に関する異議の事由を抗弁として主張することは許されないとして、被告の主張を排斥したものである。
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